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Thiel, C.*; 塚本 すみ子*; 徳安 佳代子; Buylaert, J.-P.*; Murray, A. S.*; 田中 和広*; 白井 正明*
Quaternary Geochronology, 29, p.16 - 29, 2015/08
被引用回数:11 パーセンタイル:33.8(Geography, Physical)第四紀後期の隆起特性を評価するためには、堆積物の年代決定が重要である。本研究では、秋田県男鹿半島の海岸沿いの海成堆積物を用いて、堆積物中の石英および長石に対するルミネッセンス年代測定法の適用性について検証した。石英は、熱に不安定で、Linear modulated (LM)-OSL分析よりslow成分が卓越していることが示された。また、石英からは、堆積物に挟在する2つのテフラの年代と比較して、非常に若い年代値が得られた。カリ長石は、ドーズリカバリーテスト等の結果、225Cのpost-IRIRSL信号を用いた場合に年代測定に適した鉱物であることが示されたが、篩い分けた粒径を基とした年間線量を年代値の算出に用いたところ、テフラの年代よりも若干、若い年代値が得られた。SEM解析により、長石粒子は小さな結晶を含んだ非晶質なものであることが分った。この場合、標準的な内部線量率を用いると、年間線量を過大に見積ることになる。そこで、以下の3つの年間線量のシナリオについて検討した。(1)篩い分けた粒径サイズ(90-180m)で、カリウム(K)の含有量が12.50.5%、(2)SEM画像を基にした小さい粒径サイズ(4020m)で、Kの含有量が60.5%、(3)小さい粒径サイズ(4020m)で、Kの含有量が12.50.5%。その結果、(3)のシナリオがテフラ年代と最も調和的な年代値であった。
鈴木 崇史; 甲 昭二; 天野 光; 外川 織彦
Quaternary Geochronology, 3(3), p.268 - 275, 2008/08
被引用回数:26 パーセンタイル:54.09(Geography, Physical)原子力施設周辺のモニタリングのみならず、海水循環のトレーサーとしての可能性が期待されているので、加速器質量分析装置を用いて海水中のI測定手法を開発した。海水試料は青森県関根浜沖から採取し、ヨウ素抽出は溶媒抽出法により行った。この抽出法による汚染の影響を評価するため、ブランクテストを行った。ブランクテストから得られたヨウ素同位体比はキャリアー中のヨウ素同位体比と誤差範囲内で一致したことから、汚染の影響はなく適切な前処理方法であることがわかった。海水中のヨウ素同位体比はI/I=(9.50.4)10であった。この濃度は核実験で放出されたI/Csから期待される核実験起源のIと天然起源のIから期待される以上のI濃度であった。この過剰のIは核実験量を見積もる際に使用したCsとIの移行挙動が完全に同じでないためか、もしくは欧州の再処理工場から放出されたIが当該海域に到達している可能性がある。